さて、今回のテーマは「太る薬」です。はじめに言っておきますが、「太る薬」と「太るサプリ」は全く違います。そもそも太る目的で処方される医療薬は存在していません。
では、なぜ「太る薬」という言葉が出回っているのでしょうか。どうして太る薬と呼ばれているのか、正しい方法で健康的に太るために“謎”や“疑問”を解決しておきましょう。
太る薬の正体
飲めば太れるなんて、痩せ体質の人にとっては魅力的な薬。しかし、現在の医療では、太るためにつくられた薬剤は開発されていません。つまり、太る薬という医療薬はないのです。
ところがネットで検索すると、「太る薬で体重が増えた」とか「2か月で5キロ太った」など多くの言葉がヒットします。この人たちが言う太る薬とは一体どんな薬なのでしょう。
それは、主に精神科で処方される「精神安定剤」や「抗うつ剤」です。本来の目的は精神的な症状をやわらげるために服用するのですが、「副作用の影響」で体重が増える=太る場合があります。
食欲が増したりホルモンバランスが一時的に偏ったりして、脂肪がつきやすくなるのが理由です。本来の目的とは違った目的で使うことになるので、正しい方法とはいえません。
そもそも、飲むべきではない人が服用すること自体がNG。含まれている成分を無視して飲むのはリスクが高いと言えます。
精神安定剤や抗うつ剤の「副作用の力を利用して太る」、これが太る薬と呼ばれている正体。ほかにも、睡眠導入剤の副作用でも、まれに体重が増加するケースもあるようです。
間違った方法はリスクが高い
仮に、痩せ体質の人が副作用の影響で太れたとしても、その反面、急に眠気が襲ってきたり頭痛を感じるようになったり、めまいや立ちくらみなどを起こすおそれがあります。
場合によっては吐き気や胃のムカつきなどを感じるケースもあるようです。これらの症状も、本来の目的を無視して飲んだことで生じる副作用になります。
太るという副作用ではなく、違う副作用もあるのです。「太れる」という点だけに目を向けがちですが、違う副作用が生じることも忘れてはいけません。
うつ病や精神的な疾患をもっている人なら飲んでも表れにくい症状ですが、そうではない人が服用すると「違う副作用」もまねくリスクがあることを理解しておきましょう。
太る薬と太るサプリの違い
太る薬と正式に認められた薬剤は存在しませんが、「太るためのサプリメント」は存在しています。痩せ体質の人が太りやすい体質になるためのサポート食品です。太りにくい人は胃腸の働きが低い傾向にあり、食べものを上手く消化する力や吸収する力が弱かったりして、そのまま便となって体の外に排出されるので脂肪がつきにくいのが太れない原因の一つ。
こうした悪循環をサポートするために太るサプリがあります。太りやすくするための栄養素を配合し、その成分を腸が吸収しやすいように加工しているタイプもありますね。
さらに、食欲を促す栄養素が配合されていたり腸内環境を整える成分が含まれていたりする太るサプリもあり、体に負担を与えることなく太る効果が期待できるのです。
ただし、太るサプリという商品なら、すべて同じ効果とは限りません。なかには、飲んでも効果が期待できない太るサプ
リもあるので慎重に選ぶことが大切です。いずれにしても、太る薬で太るのはオススメできない方法です。医者に聞いても「副作用を利用して太るのは好ましくない」と同じことを言うでしょう。
間違った方法で後悔しないためにも、くれぐれも気をつけてくださいね。