肥満が健康に害を及ぼすように、「痩せすぎ」も好ましくありません。世の中には「太り
たくても太れない」と悩んでいる人も多くいます。
太るために食べる量を増やすという改善策もありますが、もともと体質的に胃が小さくて
一度に食べられる量が少ない人には不向きな方法です。
また、太りたいからといって糖質や脂肪など高カロリーな食品を集中して食べると、健康
に悪い影響を与えてしまうリスクがあるのでオススメできません。
痩せ体質を克服するためには、バランスの悪い偏った食生活ではなく健康を意識しながら
計画的に太ることが大切です。
一度に食べる量よりも回数が大事
太るために多く食べるのは問題ないでしょう。しかし、1回の食事で食べる量を大幅に増
やし、無理やり“爆食い”するのは効果的とは言えません。
痩せ体質の人は消化能力が低い傾向があり、大量に食べたところで消化が追いつかず腸で
吸収されなければ便となって体の外に排出されてしまいます。
つまり、たくさん食べても結局は体の外に出ていって痩せたままなのです。1回の食事で
食べる量を増やすよりも、1日の食事の回数を増やすことがポイント。
ちゃんと消化できて腸が吸収する量を1回の食事で摂り、これを1日に何回も繰り返したほ
うが効果的に必要なカロリーを摂取できます。
1日3回の食事と2回の間食
痩せ体質の人は通常の人よりも「異化作用」が強い傾向があります。異化作用とは、筋肉
や脂肪を分解する能力のこと。
体内のエネルギーが不足すると異化作用でエネルギーを補おうとするため、十分なカロリ
ーを摂取できていなければ脂肪や筋肉が分解され痩せてしまうわけです。
異化作用による脂肪や筋肉の分解を防ぐためには、エネルギーの源となるカロリーを今よ
りも体に多く摂り入れておく必要があります。
1日3回の食事でも、食事と食事の間にエネルギーが不足してしまえば異化作用が起きて太
れません。そこで、カロリー補給の「つなぎ」として役に立つのが「間食」です。
間食するタイミングは「昼ご飯を食べたあと」と「夜ご飯を食べたあと」。たとえば
、12:00にランチを食べて15:00に間食、19:00に夜ご飯を食べて21:00に夜食でOK。
夜食の注意点は、寝る2時間前には食べないこと。食べて直ぐ寝ると胃に負担がかかり、
睡眠の質を下げてしまいます。また、血行も悪くなるので避けましょう。
間食や夜食の効果
太りたいなら1日3回の食事が必要です。さらに、間食と夜食でカロリーを補給するのがオ
ススメ。できれば、夜食は「太りやすい時間」を狙って摂取すると効果的ですね。
人間は「BMAL1」というタンパク質をもっていて、このタンパク質は脂肪を体内に溜
める性質があります。そして、BMAL1が活発に働きだすのは夜です。
22:00頃から増え始め、深夜2時~深夜3時あたりがピーク。この時間に夜食を食べれば脂
肪がつきやすく、痩せ体質の人でも太りやすくなるでしょう。
人間の体は朝から夕方までにエネルギーを消費し、夜はエネルギーを充電するので、あえ
てエネルギーの消費が少ない時間を狙って夜食を食べるわけです。
間食や夜食で食べたいものは、カロリーが高めで炭水化物を摂取できる食品。とはいって
も、お菓子やジャンクフードなど添加物たっぷりの食べものは好ましくありません。
たとえば、「おにぎり」や「あんぱん」、「サンドイッチ」や「ドーナッツ」、「ナッツ
類」や「ヨーグルト」、バナナのような「糖質が多いフルーツ」など間食や夜食にピッタ
リ。
エネルギーを消耗しやすい昼の間食は炭水化物が豊富な「おにぎり」や「パン類」、夜食
は消化のことを考えて「糖質が多いフルーツ」や「ヨーグルト」などがオススメですね。
なかでもナッツ類は、1グラムあたりにカロリーが多く含まれており、炭水化物や脂質、
タンパク質も豊富で小まめに間食するのに適しています。
間違った方法で太るのは不健康!
また、たくさん食べるのはNG。消化できる量を摂取するのがベストです。はじめに言っ
たように、1回の食事で大量に食べても消化できず体内に吸収されなければ意味がありま
せん。
・痩せ体質の人は消化能力が低いので1回の食事で大量に食べても意味がない
・消化されなければ便となって体の外に排出されてしまうので太りたくても太れない
・栄養バランスが整った食事を1日に3回(朝・昼・夜)食べる
・エネルギー不足になると異化作用により脂肪や筋肉が分解されて太れない
・昼ご飯のあとに間食し、寝る2時間前に夜食を食べると太りやすくなる
・エネルギーの消費が少ない夜は、あえて「太りやすい時間」に夜食を食べる
・脂質や糖分は必要だが、ジャンクフードやお菓子などは好ましくない
・痩せ体質を克服するための食生活は1日3回の食事と2回の間食を習慣にする
・継続して毎日やり続けることで痩せ体質を克服しやすくなる
爆食いしたり不健康な食品で栄養が偏ったり、そんな方法は正しくありません。重要なポ
イントは、いつでも体の中にカロリーがある状態を維持してエネルギー不足を防ぐこと。
たくさん食べても太れない、甘いお菓子や高カロリーなジャンクフードを食べても痩せた
まま・・・という人は、太るための方法が間違っているのが原因。
まずは、痩せ体質を克服するために食生活から変えていきましょう。1日3回の食事と、昼
ご飯のあとの間食・夜ご飯のあとの夜食を毎日の習慣にしてみてはいかがでしょうか。